専門家にお聞きしました!

離乳食初めてガイド
〜バナナで作る栄養満点レシピをご紹介〜

離乳食初めてお母さんの為に必要な情報をまとめました。

赤ちゃんの成長にとって大切な離乳食ですが、開始時期や始め方、注意点等、
初めての子育てはわからないことばかりです。
そこで今回は、離乳食作りは初めてというお母さん向けに、離乳食の基本をご紹介します。
お話を伺うのは、一般社団法人母子栄養協会の代表理事で、管理栄養士の川口由美子先生。
日頃たくさんのお母さんの相談にのり、ベビーフードの開発にも携わっていた川口先生に、
離乳食の始め方から、毎日の離乳食作りを楽しむヒントを聞いてきました。
また、栄養豊富なバナナは離乳食にもおすすめの食材ということで、
「バナナ」を使ったオリジナル離乳食レシピも紹介いただきました!

最初は何をどれくらい?
離乳食の始め方

赤ちゃんは、生後5~6ヶ月頃になると、母乳だけでは栄養が足りなくなってくると言われています。ですので、そのぐらいの時期から、授乳と並行して離乳食を始めると良いでしょう。

厚生労働省発行の『授乳・離乳の支援ガイド』に記載されている「離乳の進め方の目安」の通り、離乳初期の生後5~6ヶ月頃には、まず、つぶしたおかゆから始めて、それに慣れたら、つぶした野菜、次はつぶした豆腐、白身魚などという順に進めましょう。

食べ物の固さの目安としては、ヨーグルトやポタージュ状からスタートして、生後7~8ヶ月頃の離乳中期は、舌でつぶせるぐらいの豆腐状に。生後9~10ヶ月頃の離乳後期は歯ぐきでつぶせる堅さというふうに、徐々に変化させていくことをおすすめします。ただし、これはあくまでも目安。赤ちゃんの食欲や成長、発育によって違いはあるので、様子を見ながら調整していきましょう。

離乳の開始 → 離乳の完了
離乳初期
生後5〜6ヶ月頃
離乳中期
生後7〜8ヶ月頃
離乳後期
生後9〜11ヶ月頃
離乳完了期
生後12〜18ヶ月頃
食べ方の目安

●子供の様子を見ながら1日1回1さじずつ始める。

●母乳や育児用ミルクは飲みたいだけ与える。

1日2回食で食事のリズムをつけていく。

●いろいろな味や舌触りを楽しめるように食品の種類を増やしていく。

●食事リズムを大切に、1日3回食に進めていく。

●共食を通じて食の楽しい体験を積み重ねる。

1日3回の食事リズムを整える。

●手づかみ食べにより、自分で食べる楽しみを増やす。

調理形態 なめらかにすりつぶした状態 舌でつぶせる固さ 歯ぐきでつぶせる固さ 歯ぐきで噛める固さ

初めて離乳食を与える時の注意点

初めは必ず体調の良い時に、ひとさじから始めましょう。特に消費者庁が定める、アレルギー特定原材料等28品目については注意が必要なので、最初から他の食べ物と混ぜないように。もしそれらを食べたあとにアレルギー反応を起こした場合、何の食品によって症状が出たのか判断ができませんから。

なるべく午前中にあげるようにしましょう。

午前中は赤ちゃんの消化器官の働きが良い時間帯ですし、万が一異変があっても病院に行きやすいからです。

与えてはいけない食材

ハチミツは、1歳未満までは与えないで下さい。

ハチミツにはボツリヌス菌という菌が含まれていることがあり、腸内環境が整っていない赤ちゃんの腸にボツリヌス菌が入ると、腸内で菌を殺せず反対に増やしてしまいます。それが原因で乳児ボツリヌス症を起こすことがあります。万一蜂蜜を摂取した場合に気になる症状がみられたら「蜂蜜が入っているものを食べた」ことを伝えて病院を受診しましょう。1歳を過ぎたらすぐに大丈夫というわけではなく、少し体調が悪いかなという時は消化吸収に問題があるかもしれないので、1歳半くらいまでは体調次第では避けるのが無難です。

また、油っこいものや生もの、気管に入ってしまいそうなピーナッツや炒り大豆なども避けましょう。

赤ちゃんも食べやすく、栄養豊富!
離乳食におすすめのバナナ

バナナはなぜおすすめ?

離乳食におすすめの食材は色々ありますが、調理のしやすさでバナナはお母さんの強い味方です。バナナは果物の中でもビタミンB群と食物繊維を豊富に含みます。

また、炭水化物も多く含むので赤ちゃんの大事なエネルギー源にもなります。

砂糖などの甘みを加えなくても天然の甘さがあって食べやすいのも魅力です。布に包んだりバナナケースに入れるだけで持ち運べますから、お出かけの時も便利です。

それから、生後9~10ヶ月ぐらいの離乳後期は、歯ぐきでつぶせる堅さを食べられるようになるのですが、それはまさにバナナの堅さなので、バナナをそのまま食べさせてテストするといいかもしれません。

赤ちゃんがバナナの甘みを気に入るようであれば、他の食材を混ぜてみるなどの工夫もしてみましょう。例えば、パサついて食べにくい鶏のささみを一緒にあげてみたり、ほうれん草などの野菜とバナナを混ぜてあげるのも良いですね。こちらが食べてほしいものを口に入れてくれるチャンスと捉えて、バナナと一緒にいろいろな食材にチャレンジしてほしいです。

バナナを与える時の注意点

バナナは、アレルギー特定原材料等28品目の1つです。最初にあげるときには1さじからはじめましょう。加熱してもバナナのアレルゲンは弱まりませんが、離乳初期の初めの頃であれば、まずは電子レンジや鍋で温めてから裏ごしにしたり、フォークの背でつぶしてペースト状にして少しだけあげるところからはじめましょう。うまくできない場合は、粉ミルクやお湯で伸ばして、とろっとさせるといいと思います。ペースト状に慣れてくると、赤ちゃんは柔らかいものを舌でつぶせるようになるので、今度は少し加熱したバナナを斜めの薄切りにしてみて下さい。バナナは、輪切りだと赤ちゃんの口にそのまま入ってのどにつかえる場合があるので、大きめの斜め薄切りがおすすめです。

生後7~8ヶ月頃の離乳中期は、野菜や果物の量は20~30グラムが望ましいと言われています。なので、この頃は、バナナの薄切りは10グラムほどに相当する2枚ぐらいあげるのがいいでしょう。そして、そのほかの野菜もプラスして全部で20~30グラムになるようにしましょう。どんなにバナナが好きな赤ちゃんでも、バナナばかりをあげれば良いということではありません。また、バナナもアレルギーの心配がないわけではないので、初めてあげる時は体調がいい時にスプーンひとさじから始めましょう。

ゴックン期の練習にぴったり!(離乳初期)バナナカボチャペースト

材料(1人分)
・バナナ 半分
・かぼちゃ 2カケ

作り方

  1. バナナは薄く輪切りにし、レンジで600wで20秒温め、すり潰す。
  2. かぼちゃは、皮とワタを取り除き、柔らかくなるまで茹で、すり潰す。
  3. すり潰したバナナとかぼちゃを混ぜ合わせて出来上がり。

バナナとカボチャの自然な甘さで赤ちゃんの食べやすさ満点レシピです。

栄養士さんイチオシ!簡単なのに栄養満点米粉を使ったバナナ蒸しパン

材料(1人分)
・バナナ 80g ・砂糖  10g 
・牛乳 100ml(または豆乳)
・米粉100g 
・ベーキングパウダー 小さじ1
・油  大さじ1

作り方

  1. バナナは電子レンジで10秒加熱してからつぶし、大きなボウルにいれ、砂糖とよく混ぜ合わせてから牛乳で伸ばしおく。
  2. 1に、米粉、ベーキングパウダーをいれてしっかりムラがなく滑らかになるまで混ぜ、油を加えてさらに混ぜます。
  3. シリコンカップに8分目まで2を注ぎ、蒸し器で約15分ほど蒸してできあがり。
    蒸し器がない場合は、深さのあるフライパンに水をはり、シリコンカップをのせて蓋をしてもいいでしょう。

赤ちゃんが自分で掴んで食べる練習にもなります。お出かけ時にもおすすめです♪

お母さんの笑顔が一番の栄養!
離乳食作りを楽しむヒント

離乳食を始める頃は、「栄養は足りているかな」「この食べ物をあげるのはまだ早いかな」「できるだけオーガニックのほうがいいかしら…」など、心配なことがいろいろ出てくると思います。でも、あまり悩まずにリラックスして離乳食作りを楽しんでほしいです。離乳食を作るのが負担に感じることもあるでしょう。そういう時は、野菜を温めてつぶしてあげるだけなど、たまには手を抜いてもいいんです。

何よりも大切なのは、お母さん自身が安心した気持ちでお子さんと接すること。例えば、親が「これをあげても大丈夫かな……」と思いながら、眉間に皺を寄せて食べ物をあげると、その不安は赤ちゃんに伝わります。それよりも、時には手抜きをした食べ物でも「おいしいよー!」と笑顔で接すると、赤ちゃんも楽しい気持ちになって、食べることがどんどん好きになります。離乳食作りがうまくいかなくても、自分を責めずに、ハッピーになれることを選びながら毎日を過ごしてほしいです。

最近は核家族化が進んでいるので、赤ちゃんが大勢の人と食卓を囲む機会が減っていると言われています。でも、赤ちゃんは人が食べているところを見て、食べ物はモグモグと噛むものなのだなということなどを学習します。お母さんは毎日忙しいと思いますが、赤ちゃんに離乳食をあげる時は、ぜひ、ご自分も一緒ご飯を食べてほしいです。自分の食事を用意する時間がないのであれば、それこそ、バナナを食べながら赤ちゃんと接してもいいですよね。

すぐにエネルギーになるバナナで、栄養補給。そしてお母さんが笑顔でいることが、赤ちゃんにとっては一番の心の栄養です。

今回お話を伺った先生

一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
管理栄養士

川口 由美子 先生
大学で小児栄養学を研究後、育児用品メーカー勤務を経て独立。
テレビ、雑誌、WEBで離乳食や幼児食のレシピ提案、コラム執筆、栄養監修を行う。
主な著書に「フリージング幼児食 1週間つくりおき(大泉書店)」ほか

母子栄養協会 https://boshieiyou.org/

バナナは、
栄養バランスの王様!

バナナは、炭水化物やタンパク質の他、ビタミン、ミネラル、葉酸、食物繊維などバランスよく栄養素が含まれている優れた果物。 老若男女問わず、毎日の食生活にバナナを取り入れて健康的に過ごしましょう。

栄養

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機能

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メリット

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