専門家にお聞きしました!

高血圧対策にバナナ

ちょっと高めから要注意!
高血圧

20歳以上の日本人のおよそ3人に1人は 高血圧といわれ、頻度の高い生活習慣病のひとつです。高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれており、自覚症状がないままに血管に負担をかけ、脳卒中や心筋梗塞、慢性腎臓病など、命に係わる疾患を引き起こす可能性があります。

そもそも血圧って何?

血圧とは、血流によって血管の壁が押される圧力のことをいいます。血圧は、収縮期血圧(最高血圧もしくは上の血圧)と拡張期血圧(最低血圧もしくは下の血圧)の2つで示され、いずれかの血圧が安静時の状態で継続的に高いと高血圧と診断されます。

日本高血圧学会の基準では、診断室での血圧が140/90mmHg以上(家庭血圧は135/85mmHg以上)の場合を高血圧としています。

高血圧は、甲状腺や腎臓などの病気や加齢が原因で起こるものと、食塩のとりすぎや肥満、運動不足、喫煙、飲酒、ストレスなどの生活習慣と遺伝的要因が組み合わさって起こるものがあります。そのため、食事や運動、嗜好品などを見直すことで高血圧の予防や改善が期待できます。

高血圧の主な要因は
過剰な塩分摂取

日本人の高血圧の人の特徴として、食塩の摂取量が多いことが挙げられます。
食塩をとりすぎると体内のナトリウム濃度が上昇し、交感神経が活性化することで血管の収縮が起こり、血圧を上昇させます。高血圧を予防するには減塩が必要ですが、しょうゆや味噌を使う日本人の食生活はどうしても多くなりがちです。
厚生労働省(日本人の食事摂取基準2020年版)が推奨している1日の食塩摂取量は、 男性7.5g/日未満、女性6.5g/日未満を目標にしてますが、令和元年国民健康・栄養調査によると1日の食塩摂取量の平均は10.1ℊと目標値を大きく上回っています。
減塩には、素材やだしの味を活かした薄味を心がけ、麺の汁は残す、かけしょうゆやソースを減らすなど食べ方を工夫したり、食塩が多く含まれる加工食品や外食をとりすぎないようにすることが必要です。

高血圧を防ぐ食事法DASH食

アメリカで考案・推奨されている高血圧を予防・治療するための食事療法にDASH (Dietary Approach to Stop Hypertension)食があります。

DASH食とは、野菜、果物、低脂肪乳製品、魚の摂取を増やし、総脂肪・飽和脂肪酸の摂取を減らす食事パターンで、カリウム、マグネシウム、カルシウム、食物繊維総量の摂取量が高いことなどを特徴にしています。

減塩はなかなか難しいという人も肉より魚のおかずを増やしたり、野菜や果物を増やしたりするDASH食は取り組みやすいのではないでしょうか。

バナナで高血圧予防に期待!

果物の中でもバナナはカリウムやマグネシウムが特に多く含まれているため、血圧を正常に保つことに役立ちます。
カリウムはナトリウムを排泄する働きがありますが、調理によって失われやすい栄養素で、水に長くさらしたり、茹でたりすることで少なくなってしまうため、とりにくい栄養素のひとつです。
バナナは食べる直前に皮をむくのでカリウムが失われにくく、しっかりとることができます。マグネシウムは血管の収縮を抑え、拡張する働きがあり、カルシウムと一緒に働くため、バナナと乳製品を組み合わせるとより効果的です。

朝食や間食に「バナナ牛乳」「バナナヨーグルト」などを取り入れるとよいでしょう。

また、バナナに含まれる食物繊維は体内のナトリウムの排泄を促す働きもあります。さらに、バナナには血圧低下が期待できるアミノ酸のGABAも含まれていることが明らかになっている(弊社バナナ(キャベンディッシュ):第三者分析機関による分析結果)ので、さらに期待できますね。

毎日の食生活にバナナを!

近年では若年~中年男性を中心に内臓肥満を伴う高血圧の人が増加しています。肥満は高血圧だけでなく、糖尿病や脂質異常症、高尿酸血症など生活習慣病を招きます。肉や加工食品に含まれる脂肪やお菓子、ジュース、アルコールなどに含まれる糖分をとりすぎると摂取エネルギーの過剰につながり、肥満の原因になります。また、血液中のコレステロールや中性脂肪が増えることで動脈硬化のリスクが高まり、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こす可能性があります。

バナナは甘いので糖質を気にする方も多いようですが1本約86kcalと、砂糖が多く含まれるお菓子に比べて低エネルギーです。

また、バナナに含まれる食物繊維は脂肪や糖質の吸収を抑え、体内の余分なコレステロールを排泄する働きがあります。甘いものが食べたくなったら、お菓子の代わりにバナナを食べるようにしてもよいでしょう。バナナにはビタミンCやポリフェノールも多く含まれるため、動脈硬化予防も期待できます。
正常な血圧を保つには、塩分控えめでバランスのよい食事、適度な運動、喫煙や飲酒を控える、十分な睡眠をとる、ストレスをためないなど、生活習慣を整えることが重要です。バナナは皮をむくだけで手軽にさっと食べられるので、毎日の食生活にバナナを取り入れて健康的に過ごしましょう。

<参考資料>
出典:厚生労働省 国民健康・栄養調査結果(令和元年)
URL:https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687163.pdf
由田克士. 循環器疾患を予防するための栄養・食生活からのアプローチ. 日本循環器病予防学会誌(2007)42(1)14-22.
Nomura K et al. [Na+] Increases in Body Fluids Sensed by Central Nax Induce Sympathetically Mediated Blood Pressure Elevations via H+-Dependent Activation of ASIC1a.Neuron(2019) Jan 2;101(1):60-75.
<監修>
柴崎 真木 先生(管理栄養士 / 健康運動指導士 / 健康科学修士 / 経営学修士 )

バナナは、
栄養バランスの王様!

バナナは、炭水化物やタンパク質の他、ビタミン、ミネラル、葉酸、食物繊維などバランスよく栄養素が含まれている優れた果物。 老若男女問わず、毎日の食生活にバナナを取り入れて健康的に過ごしましょう。

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